現 東京工業大学生命理工学院博士後期課程2年
足立 惇弥さんインタビュー
化学 ⇔ 科学技術政策
「変な好奇心」から、廻りはじめた歯車
「変な好奇心」から、廻りはじめた歯車
- 多忙な4回生時代から、「変な好奇心」をエンジンに「関係ない学部の授業」に潜入
- 専門がばらばらな学生たちと議論を深める−刺激的なSTiPSのディスカッション講義
- STiPSの「研究プロジェクト」をベースに単著で論文を出版(2021年3月)
- 学びの結果、自身の研究(化学分野)と社会との関係を考えるように
足立 惇弥
大学院副専攻プログラム「公共圏における科学技術政策(STiPS)」修了
大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻博士前期課程修了(2020年3月)
現 東京工業大学生命理工学院博士後期課程2年
理系の人は分かると思うんですけど、4回生になると研究室に配屈されて基本的には「超多忙」になる。でも当時の私は「全く関係ない学部の授業とかに潜り込むの、憧れるよな」という、変な好奇心みたいなものを抱いてまして(笑)。 シラバスで調べて、最初は文学部の授業に出てみたんです。その授業がすごく面白くて。大学院に進んでからも専門外の授業を受講しようと思ったんです。
大学院ではSTiPSを履修しました。集う学生も専門が本当にばらばらなんです。なので、ディスカッション中心の講義ではこういうところに来ないと絶対にできないような議論が展開する刺激的な時間でした。そして、「研究プロジェクト」で行った研究が、幸運にも後に査読付き論文として学外にも公開されるに至りました。
充実した、ある意味、特殊な大学院生活を送ることができたのは、大阪大学と自分自身のスタイルが偶然にもマッチして、運命的とも言える何かに引っ張られたのではないかなと思います。自分自身、こういう分野に興味自体は持っていて、大学受験の時には第二志望として私立の社会学部を受験していたくらいなんです。とはいえ、大学に入ってからは専門の授業も大変で、そんな志も忘れて...でも、4回生になってひょんな気まぐれですよね。そこから歯車のようなものが廻り始めたのかなと。
大阪大学の制度で副専攻を履修するのは、専門課程との掛け持ちもあって、正直大変な部分も多かったんですけど、それ相応の、というよりは、想定以上の、思っていた以上の実りも得られるものだと思いました。実際、自分の専門領域(化学)でいうと、周りの学生としゃべっていても、結構そのあたり(科学と社会との関係)に関しては、まだ「社会が勝手に決めること」と考えている人がすごく多くいます。でも私は深く学ぶ機会があったので「もっとこんな議論ができるんだよ」と伝えられたりします。そう考えると、COデザインセンターでの経験は現在にも役に立っていると思っています。