みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
平井 宏明さん インタビュー
環境政策 ⇔ 地域活性化
マルチサイト(複数の湯)を往復し、問題の複雑性に気付く
マルチサイト(複数の湯)を往復し、問題の複雑性に気付く
- 研究室を選ぶ際に、 環境政策とまちづくりの研究室の間で迷い
- COデザインセンクーの講義では、様々なバックグラウンドを持つ方と議論する中で、多角的視点の重要性を認識
- 都市部一郊外地域一過疎地域を横断的にみることで社会の複雑性に改めて目を向けるきっかけに
- 「ビジネスと学問は違う。 でも研究の積み重ねで見えてくる未来像もある」という気づき
平井 宏明
大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻博士前期課租修了(2021年3月)
現 みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
わたしは4回生の研究室配属の際に、2つの研究室の間で迷ったんです。ひとつはデーク分析を用いて環境政策・ 環境リスクを研究する研究室、もうひとつは、まちづくり・都市計画を研究する研究室です。最終的には「環境政策」を 選んだのですが、まちづくりも捨てがたいなという思いがあり、COデザインセンターが開講していた「まちづくり」に関わる講義を受講することにしました。主専攻では定量的に物事を考えることが中心です。一方でCOデザインセンターでは、主専攻分野も年代も多様な方々と一緒に、議論しながら「地域」や「社会」を考えることができ、考え方の幅を広げることができました。その経験は本当に自分の成長につながりました。
実際の講義では、大学の外に出て産官学のさまざまな方と接する機会を数多く持ちました。例えば2019年度の年間、月に一度グランフロント大阪で「うめきた開発」を軸足に、大阪や関西について考える機会をいただきました。また2020年度には「山間部の教育」をテーマに十津川村の中学校と交流しました。そして「中学牛の受験勉強に寄り添い、それぞれが抱える悩みの相談に乗る」取り組みを行いました。 普段はできない経験−中学生と官接対話することを通して、山間部の現状というのをひしひしと感じましたね。講義では、多数の大企業が協力して作り上げる都市部の開発(うめきた開発)から、住宅に係る課穎を持つ郊外地域(能勢電鉄沿線等)、そして、過疎化の進む山間地域(十津川村等)まで−都市部、郊外地域、過疎地域という、全く違う背景をもつ「地域」や「社会」を横断的にみていくことができました。この経験から、「社会課題の解決」とひとことでいっても、多くの要素が複雑に絡み合っていて、そう単純な話ではないことが分かりました。そして、ビジネスが必ずしも学問どおりに進むわけではない...けれども「研究を積み重ねるからこそ見えてくる今後の社会像がある」ということも、同時に実感することができました。